『歓喜の夜』
昨日は、店の定休日と祝日、そして、サッカー『ワールドカップ2022』日本vsドイツの一戦…その全てが偶然にも重なった。
そして、大将と女将…いや両親と一緒にテレビでサッカー観戦をした。
父は「頭の下がる根性だ」と、90分間に渡り、ピッチの端から端に俊足を飛ばし続けた、伊東純也選手を労った。
母は「頼もしい勇気ね」と、ドリブルで仕掛け、同点ゴールの起点となった、三笘薫選手に感嘆した。
もちろん、与えてしまったPKを庇ったし、同点ゴールに興奮し、逆転ゴールに驚愕した。果敢なシステム変更と選手交代に賛辞を送った。
それでも二人はそれぞれ、根性を労い、勇気に感嘆した。
“根性”も“勇気”も、あまり耳にしなくなった言葉かもしれない。
それでも二人は、それに頭が下がる思いをし、それに頼もしさを感じた。
誰かを、何かを重ねたのかもしれないし、シンプルにそう思っただけなのかもしれない。それは分からない…
試合終了のホイッスルからほどなくして、僕はビールをやめて、ウィスキーを飲んだ。
偶然が重なり…歓喜の瞬間を共にした。色々な思いが重なり?…歓喜の瞬間を彩った。
そんな夜に酔いしれた。
『太陽に惠まれた…』
待ち焦がれた…なんて言ったら、少々大げさだけれど、この冬は、数年ぶりに旅行に出掛ける予定を立てていて、色々と準備や手配をしながら、心躍っている。
ただ、またちょっと雲行きが怪しい。
八度目となる、新たな“波”が、確実に僕達を捉えようとしている。
祝日前の明日は、一緒に旅行に出掛ける友人と、その打ち合わせを兼ねて、食事をする約束をしている。
そうだ、明日は先週解禁されたボジョレー・ヌーヴォーでも、飲んでみよう。なんでも、今年のキャッチコピーは『太陽に恵まれたヴィンテージ』らしい。
もちろん、この夏のヨーロッパの熱波のように、ボジョレーにとっても、その生産者にとっても、毎年恵まれたことばかりではない。それでも、“解禁”の日は訪れる。そして、愛好家はその日を待ち焦がれる…
僕達の旅にも、その日は必ず訪れる。予定通り、それがこの冬であることを切に願って、“太陽に恵まれる”ことを願って…明日は美しい赤色が注がれたグラスを掲げてみよう。
『薄っぺらい紙』
あいにくの雨だったけれど、今日は僕自身も卒業した地元の小学校まで、歩いて行った。
この街の市議会議員選挙の投票日だった。投票所が卒業した小学校のため、一票を投じに行った。
国政選挙を含め、最近は期日前投票が多かったので、久しぶりだった。投票を済ませ、外で傘をさしたまま、学校を一望してみた。
勿論、所々は改修されたり、色々と新しくなってはいるのだろうけれど、校舎や校庭を初め、大きな桜の木も、花壇も、水飲み場も…何だか、あの日のままのような気がした。
ここで学ぶ子供達は?
明日も明後日も…変わらないのだろうか?
僕達大人が銀色の箱に折り畳んで入れた薄っぺらい紙…それによって選ばれた者達が作る今の街に、少しだけ先の未来の街に、今は何の権利も有さない子供達は、選択肢の無いまま生きなければならない…
明日は、スッキリと晴れないながらも、雨が上がるようだ。変わらぬこの場所の至る所に、子供達の元気な笑い声が轟くのだろう。
それが、変わらず続くために…
あの薄っぺらい紙は、ひどく重い気がした。
『ワールドカップと“美味いっ”』
明日から、いよいよサッカーの『ワールドカップ2022』が開幕する。
母国を背負い、母国の威信をかけて頂点を目指すW杯には、やはり、格別の興奮を覚える。そしてそこには、ありきたりの言葉ではあるけれど…大きな『感動』が伴っている。
サッカーに限らず、スポーツによる『感動』は、時に、我々へと大きな力を与えてくれる。
ただ…
その足で白いボールを蹴ることはなくとも、その手で、長きに渡り包丁を握り続ける料理人の息子としては…僕としては…
料理に導びかれた『美味いっ』が与えてくれる力も、決してスポーツのそれに劣ってはいないと…密やかに、でも強く、信じている。
いずれにしても、明日からのワールドカップを“感動”と共に、楽しく観戦したい。
もちろん、“美味いっ”料理とお酒を傍らに。
『ラ・フランスのように』
先日、山形に住む知人から、ラ・フランスを頂いた。“食べごろ”まで一週間ほど待って、昨日、食後に味わった。
さすが『果物の女王』…甘く、瑞々しく、香り高く…格別な美味しさだった。
一方で…昨日より、インスタグラムをスタートした。何故今更?…と揶揄されたら、「“始めごろ”まで待ってたのさ」なんて強がりたいけれど…右も左も分からずに…
どうやら、こちらの甘さやら…諸々を味わうには…
もう少し、時間を要しそうだ。