2022-11-20 22:30:00

『薄っぺらい紙』

 あいにくの雨だったけれど、今日は僕自身も卒業した地元の小学校まで、歩いて行った。

 

 この街の市議会議員選挙の投票日だった。投票所が卒業した小学校のため、一票を投じに行った。

 

 国政選挙を含め、最近は期日前投票が多かったので、久しぶりだった。投票を済ませ、外で傘をさしたまま、学校を一望してみた。

 

 勿論、所々は改修されたり、色々と新しくなってはいるのだろうけれど、校舎や校庭を初め、大きな桜の木も、花壇も、水飲み場も…何だか、あの日のままのような気がした。

 

 ここで学ぶ子供達は?

 明日も明後日も…変わらないのだろうか?

 

 僕達大人が銀色の箱に折り畳んで入れた薄っぺらい紙…それによって選ばれた者達が作る今の街に、少しだけ先の未来の街に、今は何の権利も有さない子供達は、選択肢の無いまま生きなければならない…

 

 明日は、スッキリと晴れないながらも、雨が上がるようだ。変わらぬこの場所の至る所に、子供達の元気な笑い声が轟くのだろう。

 

 それが、変わらず続くために…

 あの薄っぺらい紙は、ひどく重い気がした。