休日、部屋で映画を観た
何故か
大学時代に働いていた映画館と
仲間を思い出した
ただ
劇場は閉館し
フェリーニ好きの彼や
監督志望の彼
そして
映画を観る時
必ず隣りにいた彼女も
もういない
クランクアップだ
映画を…もう一本観たくなった
仕方ない
ハッピーエンドのそれを探そう
胸のワクワクを意味する
『ちむどんどん』という朝ドラ…
休日に
まとめて観ている時だった
大学時代の友人達との
グループLINEが届いた
それぞれが戦っていた
この新しい日常と
「そろそろ、集まろう」
同じ言葉が飛び交う
ウィスキーをちびりとやった
了解
ちむどんどんしてきた
こっそり時計を見た…
週末は
高校時代から縁のある
男女4人でワイングラスを交わした
女性二人は
未来を酔わすかのように
過去の話をした
たまには悪くない
終電には
もう少し時間がある
今宵
4本目のボトルを頼んだ
どうしてだろう?
女性との昔話には…
赤ワインがしっくりくる
先週
大将と女将と外食をした
ニ年ぶりのことだ
久しぶりに
心地よい時間を堪能した
ただ…
会計を二人が譲らなかった
参ってしまう…
5月5日だった…
「ごちそうさま」と言った
二人は小さく笑った
ニ年前
僕達は
世界は
日常を失った
何を失っても
変わらないものがある
「Twitter?」と彼は首を傾げた
先週末、旧友の誕生日だった
地元の中華料理屋に一席設けた
「ただ…残したいんだ」と僕は言った
彼は「…なるほどな」と言って、紹興酒を一口飲んだ「また、丑の日にでも伺うよ」
その琥珀色を、僕も飲んだ
仄かに甘い香りが鼻を抜け…
やがて消えた