2022-05-18 19:14:00

Vol.7『昔話と赤ワイン』

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こっそり時計を見た…

 

週末は

高校時代から縁のある

男女4人でワイングラスを交わした

 

女性二人は

未来を酔わすかのように

過去の話をした

 

たまには悪くない

 

終電には

もう少し時間がある

 

今宵

4本目のボトルを頼んだ

 

どうしてだろう?

女性との昔話には…

 

赤ワインがしっくりくる

 

 

2022-05-12 00:01:00

Vol.6『変わらないもの』

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先週

大将と女将と外食をした

 

ニ年ぶりのことだ

 

久しぶりに

心地よい時間を堪能した

 

ただ…

会計を二人が譲らなかった

 

参ってしまう…

5月5日だった…

 

「ごちそうさま」と言った

二人は小さく笑った

 

ニ年前

僕達は

世界は

日常を失った

 

ただ…

何を失っても

変わらないものがある

 

 

 

2022-05-04 17:14:00

Vol.5『琥珀色の香り』

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「Twitter?」と彼は首を傾げた

 

先週末、旧友の誕生日だった

地元の中華料理屋に一席設けた

 

「ただ…残したいんだ」と僕は言った

 

彼は「…なるほどな」と言って、紹興酒を一口飲んだ「また、丑の日にでも伺うよ」

 

その琥珀色を、僕も飲んだ

 

仄かに甘い香りが鼻を抜け…

やがて消えた

 

2022-04-27 22:08:00

Vol.4『千社額』

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千社額…

 

四十数年

店を見守り続けてくれている

 

彫られた欅の中には…

 

今では

閉じた店の名も

亡くなられた方の名もある…

 

いつだろう

偶然に見掛けた

 

閉店後に一人

千社額を見つめる

大将の姿を…

 

その瞳に思った

 

何かをやり続けることとは

何かを背負い続けることと

同義である

 

2022-04-20 20:56:00

Vol.3『HERO…』

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厚手のトレンチを着ていた

それでも肌寒い

 

不確かで、曖昧な季節だ

 

待ち合わせの店ヘと向かい

細い通りを歩いていると

 

屋根の上に、HEROがいた

 

アメージング!

 

ただ…

知っている

わかっている

 

今、

彼等が望むのは

世界が望むのは

 

一人のヒーローではない

 

少し、雨が落ちてきた