こっそり時計を見た…
週末は
高校時代から縁のある
男女4人でワイングラスを交わした
女性二人は
未来を酔わすかのように
過去の話をした
たまには悪くない
終電には
もう少し時間がある
今宵
4本目のボトルを頼んだ
どうしてだろう?
女性との昔話には…
赤ワインがしっくりくる
先週
大将と女将と外食をした
ニ年ぶりのことだ
久しぶりに
心地よい時間を堪能した
ただ…
会計を二人が譲らなかった
参ってしまう…
5月5日だった…
「ごちそうさま」と言った
二人は小さく笑った
ニ年前
僕達は
世界は
日常を失った
何を失っても
変わらないものがある
「Twitter?」と彼は首を傾げた
先週末、旧友の誕生日だった
地元の中華料理屋に一席設けた
「ただ…残したいんだ」と僕は言った
彼は「…なるほどな」と言って、紹興酒を一口飲んだ「また、丑の日にでも伺うよ」
その琥珀色を、僕も飲んだ
仄かに甘い香りが鼻を抜け…
やがて消えた
千社額…
四十数年
店を見守り続けてくれている
彫られた欅の中には…
今では
閉じた店の名も
亡くなられた方の名もある…
いつだろう
偶然に見掛けた
閉店後に一人
千社額を見つめる
大将の姿を…
その瞳に思った
何かをやり続けることとは
何かを背負い続けることと
同義である
厚手のトレンチを着ていた
それでも肌寒い
不確かで、曖昧な季節だ
待ち合わせの店ヘと向かい
細い通りを歩いていると
屋根の上に、HEROがいた
アメージング!
知っている
わかっている
今、
彼等が望むのは
世界が望むのは
一人のヒーローではない
少し、雨が落ちてきた