2022-06-22 22:49:00

Vol.12『表参道と煌めき』

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街は必要以上に煌めいていた

 

友人は結婚記念日で

先に帰った

 

別れ際

二人きりかと冷やかすと

首を振った

 

「大抵、短いだろ?子供も一緒に過ごせる時間のがさ」

そう笑顔を煌めかせた

 

…地下鉄の階段を降りる前

街にレンズを向けてみた

 

なるほど…

これ位の煌めきは

必要かもしれない

 

 

 

2022-06-15 21:32:00

Vol.11『紫陽花』

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待ち合わせの喫茶店で

窓から覗く街は

濡れていた

 

子供の頃

雨は誰の涙なのか知りたかった

答えのないまま大人になった

 

店の傍らに花が咲いていた

何より雨を知る花…

答えを知っている気がした

 

雨はいずれ止む

ただ

この空の先で流れる涙は

まだ止まらない

 

花は…どこまでも青かった

 

 

 

2022-06-08 23:44:00

Vol.10『文章と絶望』

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「完璧な文章などといったものは存在しない。完璧な絶望が存在しないようにね。」

 

偶然に出会った

村上春樹のデビュー作の書き出し…

15歳だった

 

そして今…

140文字の

完璧ではない文章の中を生きている

 

まだ

楽しみたい

終わらせない

 

完璧ではない絶望を

いつか…

希望と呼べるまで

 

 

 

2022-06-01 23:26:00

Vol.9『Crank up』

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休日、部屋で映画を観た

 

何故か

大学時代に働いていた映画館と

仲間を思い出した

 

ただ

劇場は閉館し

フェリーニ好きの彼や

監督志望の彼

そして

映画を観る時

必ず隣りにいた彼女も

もういない

 

クランクアップだ

 

映画を…もう一本観たくなった

仕方ない

ハッピーエンドのそれを探そう

 

 

 

2022-05-25 23:52:00

Vol.8『ちむどんどん』

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胸のワクワクを意味する

『ちむどんどん』という朝ドラ…

 

休日に

まとめて観ている時だった

 

大学時代の友人達との

グループLINEが届いた

 

それぞれが戦っていた

この新しい日常と

 

「そろそろ、集まろう」

同じ言葉が飛び交う

 

ウィスキーをちびりとやった

 

了解

ちむどんどんしてきた