2022-12-24 22:30:00
『クリスマス・イブの色』
旅先で撮ったクリスマスツリーをセピア色にした。どうしてだろう?たくさんの人だかりをくぐり抜け、レンズ越しにそれを覗いている時からそう思っていた。このツリーをセピア色にしようと…
カメラが不得手で、元々ピンボケの感は否めないのだけれど、本来は冬空が、深まるように碧く、広がるように蒼く、それでも透き通るように青いイルミネーションに覆われたツリーだった。ひどく、美しかった。
ただ、セピア色にした。
12月24日は、クリスマスイブは、特別な一日だ。今日、この日がそうではなくても、昔は…過去には…そう思えた時を、瞬間を、過ごした人も多いと思う。
美しい青が、或いは鮮やかな赤と緑が、色を失いモノクロームとなり、長い時を経てセピアに変わる…だったら、最初から…というわけではない。
どうしてだろう?おそらくは、あくまで僕の個人的な感覚なのだけれど、クリスマスらしい色のイメージが、セピア色なのだと思う。
赤や緑も良い。ホワイトクリスマスの白も素敵だ。ただ、セピア色なのだと思う。
冬の乾いた夜空を射す色とりどりのネオン、胸が踊る気の利いたクリスマスソング、何かしらの奇跡でも信じるように真っ直ぐに互いを見つめ合う様々な恋人達…
街は煌めいている。
それをレンズに収める。セピア色にする。ただ…イルミネーションは、輝きだけは、セピア色にならない。金色になる。金色となって、より煌めく。いつまでも、より煌めく。
今日この日でも、昔でも、過去でも…この特別な一日の色は、クリスマスイブの色は、より煌めくその色だ。
今あるその煌めきに
過去のその煌めきに
煌めき続ける、12月24日に
Merry Christmas…