2022-12-19 22:30:00

『その後ろに、その前に…』

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 冷たい風は吹いていなかった。ほとばしる汗が輝いた。そんな12月の夜空に、真っ直ぐ拳が突き上げられる。一方で、肩を落とし、大きくうなだれる者達がいる…。そこには勝者と敗者がいた。ただ、どちらにも、涙を流す者がいた。もちろん、それが持つ意味は、両者で大きく異なる。それでも、彼等の頬を伝うそれは、同じく奇麗だった。

 

「FIFAワールドカップカタール2022」が幕を閉じた。日本代表の激戦はもちろんのこと、W杯史に残るような名勝負となった決勝戦を初め、4週間に渡って繰り広げられた、数多の熱戦に興奮した。

 

 少し前の話題にはなるけれど…このワールドカップの熱戦も含め、何かとこの“戦い”というものがクローズアップされ、今年一年の世相を漢字一字で表現する「今年の漢字」には、『戦』が選ばれた。

 

 そう、少し前の話題だ…。今さら僕が何を言うでもない。世相を振り返る前に、忙しない年末を乗り切らなければならない。まだ、年末の“戦い”が残っている。

 

 いずれにしても、ワールドカップが幕を閉じた。リオネル・メッシが拳を突き上げたカタールの空も、この寒さ厳しい夜空も、同じ空だ。そして、この同じ空の下、まだ、戦いを余儀なくされている人々もいる。

 

 今年の漢字が、『戦』でも構わない。ただ、その一字の後ろに、“争”も“場”も“火”もいらない。望むのは、その一字の前に、“終”という文字だけだ。

 

 様々な、“戦い”がある。ただ、それが終わった後に、勝者と敗者の頬を伝うものが、同じく奇麗ではないそれは…この空の下には不要であると、信じたい。

 

 

※ 表題の写真は、当該文章とは関係性がなく、撮り溜めた画像をランダムに使用しただけとなります。ご容赦お願い致します。