2022-12-11 22:30:00

『100ギガバイトの彩り』

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 捨ててしまえばいい。それで済むことなのだろう。ただ、四季が連なって一年を織りなすように、連続する今日までの時間の蓄積が、人を形作っている。その何処かを切り取って、簡単にゴミ箱に捨ててしまうことなんて…

 

 まぁ、ちょっと大げさだけれど。

 

 今日、Googleアカウントのストレージ使用容量が、15GBを超えた。数週間前から、残容量が少なくなってきたと警告を受けていた。

 

 僕自身の感覚では、そんなに写真や動画を撮る方ではないと思っている。ドキュメントやGmailも、個人アカウントでは、それほど使用してはいないつもりだ。

 

 そして、僕なりに不要だと思うものを、デリートしながら使用してきたのどけれど、今日、限界が来てしまった。

 

 15GBほど使用していることが、多いのか少ないのかは分からない。上述したようにあまり使用頻度が高くないと思っている僕が到達してしまうのだから、とっくに越えている人の方が多いのかな?と、思っているのだけれど。

 

 いずれにしても、仕方ないので、Google Oneで、一番ストレージの少ないスタンダードの100GBのプランに加入した。

 

 まぁ、違うクラウドサービスや外部メモリに保管したり、他にもいくらでも方法はあるのだろうけれど、僕の中では一番シンプルに感じて、それに決めた。

 

 そして今、ストレージ管理の画面には「4年分以上の保存容量が残っています」という文言が、高らかに記されている。なんでも、バックアップ頻度を参考にした予測だそうだ。

 

 それにしてもここ数週間は、現在から過去専用のタイムマシーンでも手に入れたように、時を遡っては今に帰り、思い出に触れては現状を噛みしめる日々だった。

 

 あの時、あの瞬間の写真や動画に映る、様々な人や様々な景色が、今は連絡を取ることもなくなった誰かとの鮮明なメールのやり取りが…久しぶりに色彩を得て、物語を得て、今の僕を捉えた。

 

 捨ててしまえばいい。それで済むことなのだろう。実際、それは容易なことだ。そもそも、過去にとらわれることを、嘲笑する人もいるだろう。

 

 ただ、僕は捨てきれなかった。思い出を大切に…というのとも違う。まぁ、なんとなくだ。

 

 この15GBが、今の僕を形作っているというのは、もちろん大げさだけれど、今の僕のどこかしらで、ひっそりと息をしながら…或いは姿を変えながら、何かを与えてくれているのかもしれない。

 

 この冬から先、また4度の冬を越えて、4度の春を迎える頃、その日までの85GBは、今ここにある僕と連なって、その時の僕に、いったい何を与えてくれているのだろうか?

 

 おそらく…大切なのは、容量だけではなく、その彩りなのだろうけれど。

 

 

 

 

※ 表題の写真は、当該文章とは関係性がなく、ストレージ内にあるものを使用しただけとなります。ご容赦お願い致します。