少しだけ欠けた月が
10月の小さな夜に煌めいた
輝けなくても構わない
照らしてくれる
オーケストラの小夜曲が
タクシーの車内に響いた
立ち止まったっていい
連れ立ってくれる
信じ合う
委ね合う
そしていつか、分かち合う
月が並走していた
目を閉じた
タクシーがスピードを上げた