空は
吐き捨てられた種無し葡萄の皮みたいな色をしていた
夕刻までいた喫茶店で
TVが昨日の映像を流した
喪服姿の人で溢れていた
レジの傍らに
造花のダリアが咲いていた…
店を出て
ロジェ・ヴァディムの言葉を思い出した
「貧弱な真実より華麗な虚偽を愛する」
もう一度、空を見た