熟れるような電車内で
男の子が僕を見ていた
彼は
ヨット柄のTシャツに
シアサッカー地の半ズボン姿で
座席の下には
空色のサンダルが並んでいた
すぐに飽き
彼が窓に向き返った瞬間
首筋を走る汗が光に反射した
夏だった
夏が僕を捉えた
ジャケットを脱いだ
電車は目的地へと急いだ